麒麟がくる 第14回 「聖徳寺の会見」感想


今回は帰蝶さまの出演がなくて寂しかったです。染谷ノッブの出だしの目の演技、すごかったですね。「そこのおっさん、俺が上総介だから」へらり。しゃりしゃり(瓜をかじっております)いいわー。
利政と信長の迫力ある会見ももちろん見ごたえがありましたが、もっとも興味を惹かれたのは深芳野さまの死でした。 今回は感想と気になったところのみです。あらすじは追っていません。


道三VS信長
正徳寺のセットがものすごい。丁々発止の会話はおもしろかった。旧暦の四月に菊があるの変(仏壇?にかざってありました)やろ。本能寺の変に月だしたらあかんでえ
かなり信長公記とは違う会見にござった。大紋に切袴でいいんですか。
©NHK『麒麟がくる』 「黒澤和子衣装の世界」より織田信長うつけ姿(帰蝶プロデュース)
さすがスチル写真、いい表情ですね。この馬の乗り方も信長っぽい。

©NHK『麒麟がくる』 「黒澤和子衣装の世界」より織田信長大紋切袴姿」帰蝶プロデュース
赤は舅殿(道三)の好きな色だと帰蝶から聞いた、からの道三の間着の赤を映すカメラワークが秀逸でした。



深芳野の死

コケティッシュで娼婦のような、女性性を全面に押し出した深芳野でした。真っ赤な唇で利政にしなだれかかる。
高政(義龍)は母を飼い殺した、と道三に噛み付く。が、深芳野は飼い殺しにされていただろうか。少なくとも小見の方が死んでからは道三と深芳野はべったりだった。前回酒飲んでるし。
本作で、なぜ深芳野は死んだのか。いままでの放送回での利政の酷薄で野卑な性格を積み重ねてきたのが効果を発揮している。深芳野は非常に道三を恐れていた。(長井家を乗っ取り)、帰蝶の夫を殺し、土岐頼芸を鷹を惨殺することで放逐した。だから利政の好むような女を演じていた。この恐ろしい夫に向かい義龍は自分の父は頼芸だと言い放った。子どもが殺されるだろうという恐怖と、いつか息子が守護代になることが叶わなくなった絶望から酒に逃げた。
結局深芳野を殺したのは義龍になるのではなかろうか。

南果歩さん、お疲れさまでした。男の前ではかわいくコケティッシュで、そして息子を心から愛する奥の深い深芳野でした。

利政というひと

今回、最新の(というかかなり前から言われているが)学説に基づき、二代目として設定されているのだが、どうなんだろう。
本木雅弘さんは執拗なまでに利政の泥臭さ、阿漕さ、下品さ、恐ろしさ、という面を強調する演技をしている。
二代目ってこうなるかな。初代は間違いなく今回のモックンの演ずるとおりだったかもしれないが。
例えば前回のセリフ
「そなたの父は……儂じゃ。油売りから身を起こした成り上がりものの子で、蝮と陰口を叩かれる下賤な男がそなたの父じゃ」
これ、成り上がりもので、にしたほうがずっとインパクトが強くなる。成り上がりものの子で、最初から長井(初代道三が取り入ったあと殺して家を奪った)の息子なわけでしょう。道三一人説でよかったと思う。

村木砦の戦い
信長が初めて鉄砲を使った戦いであり、信長の心性を知るうえでも大切な戦いである。盛大に鉄砲が火を吹いてて見応えありました。が、あれだとすでに長篠合戦みたいである。火器を使ったのに、戦が短時間で決しなかったこと、味方にも大変な損害を出したこと、から考えて実際に使われた鉄砲は十丁あったかなかったか、かなと思う。
「矢狭間3つ分を俺が引き受ける」っていうんで、ある程度の幅を鉄砲衆で狙わせたか、自分ひとりが撃ったか、だと個人的には思っている。

今回は文句ばっかりになってしまった。
……え、主役? 村木までお使いをして鉄砲の実践をみて、喜ぶ。そして明智の館で、妻と母に帰蝶ネタでいじられて「はっ」って言ってましたね。煕子さんもよくわからないキャラになったな。
この調子だと主役が覚醒するのは天正十年頃かいな。

次回は帰蝶さまが団子を食べながら登場するようなので(違)、楽しみです。

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